車の維持費は月いくら?1カ月と1kmあたりの計算方法
車にかかるのはガソリン代とローンだけではありません。費用を全部足して、1カ月と1kmあたりの金額を出し、数字で判断するための方法をまとめました。

車の費用を聞かれて、「ガソリン代が月に5,000円くらい」と答える人は少なくありません。ただ、それは一部です。保険、税金、車検、駐車場、メンテナンス、そして毎年失われる車の価値を合わせると、金額はずっと大きくなります。家計がなぜか苦しいと感じる理由のひとつがここにあります。この記事では、すべてを「1カ月あたり」と「1kmあたり」の数字にまとめる方法を説明します。
例の数字について: この記事の金額は、計算の流れを見せるために作った例で、平均値や現在の相場ではありません。ご自身の領収書でもう一度計算してください。一般的な情報であり、専門家の助言ではありません。
費用は2つのグループに分けます
固定費は、運転しなくてもかかる費用です。保険、税金、車検、ローンの返済、減価がこれにあたります。変動費は、使うほど増える費用です。ガソリン、メンテナンスとタイヤ、駐車場、高速料金、洗車などです。
減価:月には見えにくい費用
車は毎年価値が下がります。そのお金が毎月の口座から出ていくわけではありませんが、売るときに差額として戻ってきません。見積もるには、同じ車種で1年古い中古車の価格を調べ、差を見ます。固定費のなかで一番大きく、一番忘れられやすい項目です。
計算の例
月に500km走り、燃費が1リットルあたり15km、ガソリンが1リットル170円の車の例です(数字はすべて仮のものです)。
| 項目 | 年間 | 月あたり |
|---|---|---|
| 保険 | 60,000円 | 5,000円 |
| 税金・車検 | 110,000円 | 約9,167円 |
| 減価(年30万円) | 300,000円 | 25,000円 |
| 固定費の小計 | 470,000円 | 約39,167円 |
| ガソリン(500km÷15km/L=約33.3L×170円) | 68,000円 | 約5,667円 |
| メンテナンス・タイヤ | 48,000円 | 4,000円 |
| 駐車場 | 120,000円 | 10,000円 |
| 洗車 | 6,000円 | 500円 |
| 変動費の小計 | 242,000円 | 約20,167円 |
| 合計 | 712,000円 | 約59,333円 |
月に約59,333円で500km走るので、1kmあたり約119円です。主役に見えたガソリン代は、この例では合計の10%も占めません(約5,667円÷約59,333円)。
自分の数字を出す手順
- 去年の領収書を集めます。保険、税金、車検、整備工場、タイヤ、駐車場、高速料金などです。
- 同じ車種の中古車価格の差で、減価を見積もります。
- ガソリン代を計算します。月の走行距離÷燃費×1リットルの価格です。
- 年単位の費用をすべて足し、12で割ります。
- 月の合計を、月の走行距離で割ります。
1kmあたりの費用の使い道
ほかの移動手段と比べるときに使えます。ただし、本当に変わる部分だけを比べてください。車を使わない移動があっても、減らせるのは変動費だけで、保険、税金、減価は残ります。公平な比べ方は、変動費の1km単価と代わりの移動の料金を並べ、次に総額と「車を持たない選択」を並べることです。
減らせる可能性がある項目
- 保険: 複数の見積もりを比べ、補償内容を車の価値に合わせます。
- 予防的な整備: 点検記録簿どおりに整備するほうが、故障してから直すより安く済むことがよくあります。
- タイヤの空気圧: 空気が減るとガソリンを多く使い、タイヤも早く減ります。
- 短い移動: 用事を一度の外出にまとめると、走行距離と駐車料金が減ります。
- 駐車場: 月極と時間貸しを比べます。
数字で判断する
今の車を持ち続ける?買い替える?
ほしい車の月額を同じ表で見積もり、今の車と比べます。新しい車は整備費が少なく、1年に失う価値は金額として大きくなりがちで、古い車はその逆になりやすいです。月々の支払いだけでなく、2つの総額を比べてください。
家計のどのくらいを車に使っていい?
公的に決まった割合はありません。実用的な見方は、車の月額をほかの固定費に足して、緊急用の貯金や借金の返済に回す余裕が残るかを見ることです。車のせいでそれができないなら、支払いはできていても、今の収入に対して負担が重すぎます。
あまり乗らない場合は?
乗る距離が短いと、固定費を少ない距離で割ることになるので、1kmあたりの費用は高くなります。例で月200kmに減らし、変動費も同じ割合で減るとすると(駐車場は月額が変わらないので、あくまで近似です)、変動費は約20,167円から約8,067円になります。固定費の約39,167円は変わりません。合計は約47,233円で、1kmあたり約236円です。この場合は、カーシェアやレンタカー、公共交通機関と比べる価値があります。
よくある間違い
- ガソリン代とローンだけを数える。
- 年に一度まとめて来る支出を忘れて、月が崩れる。毎月12分の1を取り分けておきます。
- 「通帳に出てこない」ので減価を無視する。
- 車の総額を、1回の移動の料金と比べる。
数字が手元にあれば、車は「なんとなく重い存在」ではなく、判断の対象になります。持ち続ける、安い車に替える、ほかの移動手段と組み合わせる、のどれかです。この金額を毎月の予算に入れるには、家計の見直しから始めてみましょう。
よくある質問
どんな費用を入れればいいですか?
固定費(保険、税金、車検、減価、ローンがあればその返済)と、変動費(ガソリン、メンテナンス、タイヤ、駐車場、高速料金、洗車、反則金など)です。1年分を足して12で割ります。
減価とは何で、なぜ数えるのですか?
車が時間とともに失う価値のことです。毎月口座から出ていくわけではありませんが、売るときに差として表れます。簡単な見積もり方は、同じ車種で1年古い中古車の価格と比べることです。
カーシェアや公共交通のほうが安いかどうかは、どう調べますか?
1kmあたりの費用を出し、車でなくなる移動に実際いくらかかるかと比べます。車を持っている間は固定費は変わりません。減るのは変動費の部分だけです。
ローンの利息も入れるべきですか?
はい。返済額全体が実際の費用です。現金で払った場合は、そのお金を別の使い道に回していたらどうなったか(機会費用)も考えてみてください。